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パニック障害

目次

検査では異常なし。でも、こんなに苦しい。

動悸・息苦しさ・めまい・強い不安。
それは「心の弱さ」ではなく、身体が緊張を手放せなくなっている状態かもしれません。

当院は、心を説得するのではなく身体が自然に落ち着ける条件を整える鍼施術を行っています。

パニック障害の相談をしてみる

こんな症状・お悩みはご相談ください。

  • 動悸が止まらない/息がしにくい/過呼吸になりやすい
  • 電車・飛行機・高速道路・トンネル・エレベーターが怖い
  • 美容室や歯科など「途中でやめにくい状況」が不安
  • 会議・プレゼン・人前で急に緊張が爆発する
  • 朝起きた瞬間から不安・動悸が出ることがある
  • めまい、ふらつき、吐き気、胃の不調が続く
  • 「このまま倒れるのでは」「死んでしまうのでは」と感じる
  • 予期不安が強く、外出や行動範囲が狭くなってきた
  • 食いしばり・歯ぎしり・顎の疲れ、首肩こりが強い
  • 薬を使いながら何とか保っているが、身体も整えたい

ひとつでも当てはまるなら、
あなたの身体はずっと警戒したままかもしれません。

なぜ発作が起きるのか ― 当院の考え方

発作の背景には、次のような身体の連鎖が見られます。

  • 胸郭・首・肩の深層筋が常に緊張している。
  • 呼吸が浅く、息を吸っても安心できない
  • 交感神経優位が続き、「安全」が身体に伝わらない
  • わずかな刺激を「危険」と誤認し、発作スイッチが入る

ここで重要なのは、不安が原因で身体が緊張するのではなく、緊張が続く身体が、不安を生み出しているという逆転構造です。

「心の問題」で片づけない。身体の“緊張の記憶”から整える鍼施術です。

パニック障害は、動悸・息苦しさ・めまい・吐き気・手足の震え・強い不安感などが突然起こり、日常生活や仕事・学校に大きな影響を与えるつらい症状です。一方で、心電図や血液検査、MRIなどの検査では明確な異常が見つからないことも多く、「こんなに苦しいのに、分かってもらえない」という孤独を抱えやすいのも特徴です。

当院では、パニック障害を“気持ちの弱さ”として見ません。多くの方の身体を丁寧にみていくと、発作や予期不安が強い方ほど、首・肩・背中・あご周り(食いしばり)の深い緊張が固定化しているケースが目立ちます。そこで当院は、身体の防御反応(緊張の癖)をほどくことを軸に、症状の改善を目指します。

深層筋鍼法(角谷式)を、札幌で実践しています。

当院のパニック障害施術は、深層筋鍼法をメインに構成しています。深層筋鍼法は、東京都西荻窪の「なおし家鍼灸院」角谷敏宜院長が、長年の臨床経験をもとに組み上げたオリジナルの鍼技術です。私は角谷院長から直接学び、角谷式の考え方と手順を臨床で実践しています。

なおし家鍼灸院の角谷院長と私

※診断の有無に関わらずご相談いただけます。

深層筋鍼法とは(パニック障害への応用)

  • 表面ではなく、首・肩・胸郭・背部の深層筋に生じた「感じにくい硬さ(マヒ・拘縮)」を正確に捉える
  • 骨ぎわ・筋の付着部まで鍼先を“当てる”感覚で刺激する
  • 強い刺激ではなく、安全を伝える入力として働きかける

これにより、身体が長年握り続けていたブレーキが、静かに解除されていきます。

「不安を消す」のではなく、「安心が戻る身体」を作る

深層筋鍼法によって起きる変化は、次のようなものです。

  • 胸が自然に広がり、呼吸が深くなる
  • 首・肩の力が抜け、過覚醒が鎮まる。
  • 心拍・めまいへの過敏さが減る
  • 「発作が来るかも」という予期不安が弱まる

これは、不安を我慢した結果ではありません。身体が「ここは安全だ」と再学習した結果です。

「脳への血流不全」と「交感神経の過緊張」がパニック障害をつくる

― 首・胸・食いしばりのコリが生む身体の警戒反応 ―

パニック障害の方を診ていくと、多くのケースに共通して首の奥・胸まわり・顎(食いしばり)に強いコリや深い緊張が見られます。これらのコリは、単なる筋肉疲労ではなく、脳への血流を妨げ、交感神経を過度に興奮させる要因になります。

交感神経が過緊張になると、身体は「危険に備えるモード」に入り、呼吸は浅くなり、心拍は早まり、食欲が落ち、理由のはっきりしない不安感や恐怖感が生じやすくなります。この状態では、自分の意思で「落ち着こう」としても難しく、焦りや不安が頭の中で繰り返し巡る悪循環に陥ります。そして、この緊張が限界に達したとき、パニック発作が起こります。

重要なのは、これは性格の弱さや精神的な問題ではないということです。症状はさまざまに見えても、背景には共通して首・肩・背中・食いしばりのコリによる脳への血流不全と、交感神経の過緊張があります。

パニック障害は「肩をすくめ続けた身体の状態」

パニック障害を理解するうえで、ぜひイメージしてほしい姿勢があります。それは、肩を上げ、首をすくめ、胸が固まった状態です。実際にその姿勢を取ってみてください。深く呼吸することは難しく、胸は広がらず、そのまま満員電車や閉鎖空間に入れば、不安や動悸が出ても不思議ではありません。この姿勢で食事をしても、食欲が湧かないことも想像できるでしょう。私は患者さんによくこうお伝えします。「今起きている症状は、あなたの心が弱いからではなく、身体がずっと緊張した姿勢を続けている“結果”なんです。肩と首の力を下ろし、胸が広がる状態を取り戻せば、呼吸も、不安感も、少しずつ変わっていきますよ」パニック発作を生み出しているのは、この慢性的な身体の緊張なのです。

なぜパニック発作が起こるのか ― 身体から見たメカニズム

首や胸の深いコリが続くと、脳への血流が低下し、自律神経の中枢が刺激され、交感神経の興奮が強まります。この興奮がピークに達すると、動悸・過呼吸・めまいといったパニック発作が引き起こされます。

たとえば、強い怒りを感じたときの身体反応を思い出してください。顔が熱くなり、心臓がドキドキし、血圧が上がり、手が震える。これは意識とは無関係に、交感神経が最大限に働いた結果です。

パニック発作の場合、その引き金は怒りではありません。首や胸の硬直、特に後頭部の深層筋(後頭下筋群)の強い緊張が、自律神経の調整に関わる脳幹周辺へ影響し、アドレナリンやノルアドレナリン、コルチゾールといったストレスホルモンの放出を促します。

その結果、心拍数と血圧が上がり、動悸が起こり、「何かおかしい」「怖い」という感覚が強まり、呼吸は浅く速くなり、過呼吸へとつながっていきます。これが、コリという身体の異常から見たパニック発作の成り立ちです。

「パニックのコリ」とは何か?

予期不安やパニック発作を繰り返す方の身体を詳しく診ていくと、多くのケースで 首の奥にある深層筋――後頭下筋群 に強い硬直が見られます。後頭下筋群は非常に深い位置にあるため、いったん硬直してしまうと、そのコリは身体に“記憶”され、自分ひとりではほぐれにくくなります。

この 深層筋に記憶されたコリ が残り続けることで、何ヶ月、何年にもわたって予期不安やパニック発作が繰り返される――これが、コリの視点から見た予期不安・パニックの正体です。

実際の臨床においても、「後頭下筋群のコリがほぐれてくると、予期不安やパニック発作の頻度が減っていく」という変化が、多くの方に共通して確認されています。これは単なる偶然ではなく、身体の状態が神経反応に影響していることを示す重要な事実だと考えています。

記憶されたコリをほどくことが、改善の第一歩

予期不安を改善するために必要なのは、「不安を考えないようにすること」ではありません。身体に記憶された後頭下筋群などのコリ――いわば“パニックのコリ”を丁寧にほどくことです。

このコリが緩んでくると、自律神経の中枢に関わる脳(視床下部)へ送られていた過剰な刺激が減り、身体は次第に「安全な状態」を感じ取れるようになります。その結果、パニック発作は少しずつ起こりにくくなっていきます。

また、パニック時に生じやすい 胸部の深いコリ も併せて整えることで、過呼吸や息苦しさ、不安感が和らぐケースは少なくありません。

パニックに関わる“記憶されたコリ”

深層筋に記憶されるコリは、後頭下筋群だけではありません。強い食いしばりが続くことで、

  • 首の横にある 胸鎖乳突筋
  • その奥に位置する 斜角筋
  • 側頭部の 側頭筋
  • あごの 咬筋
  • 背中にある 脊柱起立筋

といった筋肉にも、緊張が固定化されていきます。

これらの筋肉のコリも、首まわりの血流を妨げ、脳への血流不全や自律神経の過緊張を招く要因となります。そのため、食いしばりを含めた首・顎まわりの緊張を改善していくことで、パニック発作が軽減していくケースが多く見られます

予期不安・パニック発作を起こすパニックのコリとは?

後頭下筋群も首の奥にある深層筋なので、深層筋が硬直してコリが記憶されてしまうと、そのパニックのコリはひとりではほぐれず、残りつづけてしまいます。そのため何ヶ月・何年も予期不安のパニック発作が起こり続けてしまうのだと思います。これがコリから診た予期不安のパニックの正体です。「後頭下筋群のコリがほぐれてくると、予期不安のパニック発作が減ってくる」という施術結果の事実からこのことが言えるのです。

ですから、予期不安のパニックを改善するには、記憶されている後頭下筋群などのコリ(パニックのコリ)をほぐしてやればよいのです。コリがほぐれると、脳(視床下部)に異常信号が送られなくなるので、パニックの発作も次第に起こらなくなっていきます。パニックで起こる胸部のコリもほぐしておくと、過呼吸や不安感も少なくなります。

パニックのコリに、なぜ鍼が有効なのか?

後頭下筋群、胸鎖乳突筋、斜角筋、側頭筋、咬筋――いわゆる「パニックのコリ」と呼ばれるこれらの筋肉は、首や頭部の深い位置にあり、表面からのマッサージだけでは十分に状態を把握したり、緩めたりすることが難しい部位です。

鍼が有効である理由は、深層にある筋肉のコリに、直接・正確に届くからです。

鍼先を通して、
・どこに
・どの深さで
・どの程度の硬さがあるのか
を確認しながら施術を行うことができます。

実際に鍼先がコリの中心に届き、硬く固まっていた筋肉がゆるみ、本来の柔軟性を取り戻してくると、めまい、不安感、息苦しさといったパニック症状が自然と軽くなっていくケースが多く見られます。

ゆかわ鍼灸マッサージ治療院では、これらの「パニックのコリ」を鍼を中心に、必要に応じて手技を組み合わせて丁寧に整えていきます。また、施術効果を維持・高めるため、ご自身でも行える簡単なセルフケア方法もお伝えしています。

パニック障害が改善していく一般的な過程

深層筋鍼法によって、多くの方が次のような段階をたどりながら回復していきます。

  1. パニック発作の正体を理解する
     「心が弱いからではない」と分かることで、不安が和らぎます。
  2. 施術(鍼・手技)とセルフケアでコリがほぐれはじめる
     首・胸・顎の緊張が少しずつ緩み、身体の警戒が下がります。
  3. 血流と呼吸が改善し、発作が軽減しはじめる
     発作の頻度や強さが徐々に減っていきます。
  4. 減薬を検討できる状態になる
     医師と相談しながら、薬の量が減っていく方もいます。
  5. 発作が起こりそうな場面でも、以前ほど不安にならなくなる
     予期不安が弱まり、行動範囲が広がります。
  6. 自分の回復に自信が持てるようになる
     「大丈夫だった」という体験が積み重なります。
  7. パニックのことを意識しなくなる
     日常生活の中で、症状を忘れている時間が増えていきます。
  8. 治癒へ
     薬も治療院も必要としない、自然な日常へ戻っていきます。

施術回数の目安

回復のスピードは、発症期間・生活ストレス・姿勢や食いしばりの程度・服薬状況などで変わります。当院では、まず数回で身体の反応(呼吸・緊張の変化)を確認し、その後は状態に合わせて提案します。「どのくらい通う必要がありそうか」は、初診で現実的な目安をお伝えします。

コースと料金

◆ パニック障害 初回体験60|60分 7,000円(税込)

こんな方におすすめ

  • パニック障害・予期不安があり、まず体験してみたい方
  • 動悸・息苦しさ・不安感が強い方
  • 首こり・食いしばり・呼吸の浅さを感じている方
  • いきなり長時間の施術は不安な方

メニューの考え方

不安を無理に抑えるのではなく、首・胸・顎の深い緊張をやさしく整え、身体が自然に落ち着く感覚を体験してもらう初回専用コースです。刺激は最小限で、安全と安心を最優先に行います。

パニック障害根本調整90|90分 10,000円(税込)

こんな方におすすめ

  • パニック発作や予期不安を繰り返している方
  • 薬だけに頼らず、身体から整えたい方
  • 初回体験後、継続的な改善を目指したい方

メニューの考え方

パニック障害を「心の問題」として扱わず、身体に記憶された緊張と自律神経の過反応として評価します。深層筋鍼法を中心に、首・胸・顎の緊張を段階的に解除し、再発しにくい身体の状態づくりを目的とした専門コースです。

施術を安心して、お受けいただく為に

  • 「途中で苦しくなったら中断できます」
  • 「無理に頑張らせる施術はしません」
  • 「当日キャンセルも事情を理解します」
  • 「まずは相談だけでも大丈夫です」

よくある質問(FAQ)8項目

Q1. パニック障害でも鍼灸でみてもらえるのですか?

はい。当院ではパニック障害を主要な施術テーマの一つとして扱い、身体の緊張(首・胸・顎)と呼吸の状態を丁寧に評価しながら施術します。

Q2. 発作が起きそうで不安です。施術中に発作が出たらどうなりますか?

不安が強い方ほど、刺激量・体位・会話の量などを調整し、安全第一で進めます。発作が起きそうなサインがあれば、呼吸が落ち着く手順で対応しますのでご安心ください。

Q3. 鍼は痛いですか?

刺激は反応を見ながら細かく調整します。苦手な感覚があればいつでもお伝えください。初めての方でも受けられるよう配慮しています。

Q4. 病院で「異常なし」と言われました。それでも診てもらえますか?

はい。検査で異常が出ないのに苦しい、という方は少なくありません。当院では症状を否定せず、身体の緊張や呼吸・姿勢の状態から整理していきます。

Q5. 薬を飲んでいても通えますか?

通えます。服薬の有無にかかわらず施術は可能です。薬の調整や中止を目的に無理をするのではなく、まずは身体の土台づくりを優先します。

Q6. どれくらいのペースで通うといいですか?

最初は1〜2週間に1回程度で、身体の変化(呼吸・緊張・予期不安)を確認することが多いです。状態が落ち着いてきたら間隔を空けていきます。初診で目安をご提案します。

Q7. 予期不安(また起きるかも…)にも対応できますか?

はい。予期不安は「思考」だけでなく、首・胸・顎の緊張が引き金になって強くなることがあります。身体が警戒を下げられるよう整え、日常での対処も一緒に設計します。

Q8. どんな人が向いていますか?

「不安を気合いで抑えるのが限界」「身体のこわばりや呼吸の苦しさも強い」「首肩こり・食いしばりがある」方は、当院の方針と相性が良い傾向があります。

最後に

パニック障害は、あなたの性格のせいでも、弱さでもありません。「頑張ってきた身体」が、警戒と緊張を手放せなくなっている状態かもしれません。当院では、深層筋鍼法(角谷式)を中心に、首・胸・顎の深い緊張をほどき、呼吸と安心感が戻る身体へ整えていきます。「このまま一生付き合うしかないのでは」そう感じている方ほど、一度“身体からのアプローチ”を体験してください。

パニック障害を「身体側から」再定義する(専門的)

― 深層筋の拘縮・血流動態・自律神経調節の観点から ―

パニック障害は、精神医学的には「予期しないパニック発作を主徴とし、予期不安や回避行動を伴う疾患」と定義される。一方で臨床の現場では、心電図・血液検査・画像検査などで明確な異常が検出されないにもかかわらず、動悸・息切れ・めまい・強い恐怖感といった症状が反復出現し、患者のQOLを著しく低下させる点が大きな問題となる。パニック障害を「心因性」「脳機能異常」だけに還元せず、身体構造および生理反応の連鎖として捉える視点を提示する。

1. 臨床的共通所見:首・胸・顎に集積する深層筋緊張

多数のパニック障害の患者様は、極めて高頻度に観察される身体所見があります。
それは、

  • 後頭下筋群を中心とした上位頸椎周囲の深層筋緊張
  • 胸郭上部(特に鎖骨下〜胸骨周囲)の可動制限
  • 胸鎖乳突筋・斜角筋群の過緊張
  • 側頭筋・咬筋を中心とした顎周囲筋の慢性的収縮(無意識的食いしばり)である。

これらは単なる筋疲労や一過性の筋緊張とは異なり、長期間にわたり固定化された拘縮の様相を呈することが多い。

2. 深層筋拘縮と脳循環・自律神経調節の関係

後頭下筋群は、解剖学的に椎骨動脈走行部や硬膜・神経受容器と密接な関係を持つ。
この領域の持続的緊張は、

  • 椎骨動脈系の微小循環への影響
  • 頸部交感神経系への持続刺激
  • 脳幹〜視床下部周辺の感覚入力変調

を介して、自律神経系の恒常性維持機構に慢性的な負荷を与える可能性がある。

臨床的には、この状態が続くと

  • 呼吸の浅薄化(胸郭拡張制限)
  • 心拍変動の不安定化
  • 交感神経優位状態の固定

が生じやすくなり、結果として「安全であるにもかかわらず、身体が危険信号を発し続ける状態」が形成される。

3. パニック発作を「急性過緊張反応」として捉える

交感神経系が一定以上の興奮閾値を超えた場合、副腎髄質からのカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)分泌、ならびに副腎皮質ホルモン(コルチゾール)分泌が促進される。

この生理反応は本来、

  • 生命の危機
  • 強度の情動反応

に対する適応反応であるが、身体側の構造的緊張が慢性化している場合、外的脅威が存在しなくても同様の反応が惹起され得る。この観点から見ると、パニック発作は「突然起こる異常現象」ではなく、慢性的な身体緊張が臨界点を超えた結果として生じる急性過緊張反応と解釈することが可能である。

4. 「予期不安」は認知ではなく身体記憶として固定される

予期不安はしばしば認知の問題として扱われるが、臨床上は

  • 特定の姿勢
  • 特定の空間(電車・会議室・美容室など)
  • 特定の身体感覚(頸部伸展、胸郭圧迫)

と結びついて出現するケースが多い。

これは、深層筋拘縮によって形成された身体感覚が「危険記憶」として中枢神経系に刻まれている状態と考えると説明がつく。後頭下筋群・斜角筋・顎筋群などは、自律神経反射や姿勢反射に強く関与する部位であり、ここに固定化された異常入力が残存する限り、予期不安は再現性をもって惹起され続ける。

5. 深層筋鍼法の位置づけ:入力異常のリセット

このような病態仮説において、鍼治療、とりわけ深層筋への精密な介入は極めて合理的である。

  • 手技では到達困難な深部拘縮への直接刺激
  • 筋紡錘・腱受容器への感覚入力再構築
  • 局所循環の改善と神経反射の再調整

を同時に行える点で、鍼は「診断と治療を兼ねる入力装置」として機能する。

臨床的には、後頭下筋群や斜角筋群の拘縮が解除される過程で、

  • 呼吸様式の変化
  • 心拍の安定
  • 主観的な不安感の減弱

が先行して現れることが多く、これは認知的介入よりも早期に観察されるケースも少なくない。

6. 回復過程の再定義

回復は直線的ではなく、一般に以下の段階を踏む。

  1. 身体所見の変化(緊張低下・可動性回復)
  2. 自律神経症状の軽減(動悸・過呼吸の頻度低下)
  3. 予期不安の減弱
  4. 行動範囲の拡大
  5. 「発作を意識しない時間」の増加

最終的に、患者は「治す」よりも先に「忘れる」段階へ移行する。

結語

パニック障害は、性格や意志の問題ではなく身体構造・循環・神経調節の失調が長期に固定化した状態と捉えることで、施術戦略は大きく広がる。

精神医学的アプローチと対立するものではなく、身体側からの調整が、結果として認知と情動の安定をもたらす、その事実を、今後も丁寧に積み重ねていく必要がある。

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