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深層筋鍼法について


深層筋鍼法は、なおし家鍼灸院院長の角谷鍼灸師が開発された鍼の技術 です。

一般的な鍼やマッサージでは届きにくい、筋肉や関節の「奥」にあるコリ・こわばり・滑走不全に対して、
必要なポイントに、必要な角度と深さでアプローチしていくことを特徴としています。

「コリを鍼や手技で変化させていく施術法です」です。鍼でコリを溶かす。癒着をほぐす。麻痺している深層のコリを鍼でひびかせる。反射を起こす等の技法はあります。

私(湯川)は、この深層筋鍼法を角谷先生から学び、札幌市中央区の当院にて、慢性の肩こり・腰痛・坐骨神経痛・股関節痛・スポーツ障害・脳卒中後遺症など の症状に応用しています。

深層筋鍼法は、「ただ深く刺す」ことが目的ではありません。

  • 姿勢や動きから、負担のかかっている筋・関節を見きわめる
  • 表層から順番に抵抗を減らしながら、安全に深部へ到達する
  • 本数をむやみに増やさず、「必要なところだけ」に絞って刺鍼する

という考え方に基づいて、からだの芯から“動きやすさ”を引き出すことを目指す技術 です。

目次

深層筋鍼法の4つの技法とコリの関係

深層筋鍼法には、4 つの技法があります。
この4つの技法を使って、コリを変化させていくことで症状を改善 していきます。

1.溶かす鍼(溶鍼)
主に筋⾁の表⾯にできる慢性化していない 筋膜のよじれ・筋膜のコリを対象にする。

2.拘縮を取る鍼(拘縮鍼)
癒着し硬結したコリを対象にする。筋膜・腱がほぐれ、軽くなる、痛みが取れるなど、筋⾁・腱の 症状が改善。

3.⾻にあてる鍼(⾻鍼)
さらに慢性化した⾻膜のコリに対して⾏う。

4.反射を起こす鍼(反射鍼)
経絡に現れるコリに対して⾏う。内臓治療などを⽬的とする。


対象としているのは「見えているコリの奥にある原因」

深層筋鍼法で主に狙っているのは、

  • 表層の硬結の“下にある”深層筋
  • 関節包や靭帯周囲の緊張
  • 滑走不全を起こしている面
  • 過緊張・防御収縮を起こしている深層の筋線維、筋膜、骨膜

などです。

表層の硬結そのものを否定するわけではありませんが、

「そこが結果として硬くなっているのか、
そこが原因として硬くなっているのか」

を、できる限り区別したいという意図があります。


評価のざっくりした流れ

(※これは一例であり、すべてを毎回行うわけではありません)

  1. 問診
    • 発症のきっかけ(外傷・オーバーユース・じわじわ)
    • 増悪・寛解要因(時間帯・姿勢・動作)
    • 既往歴(手術歴・骨折・神経内科系疾患など)
  2. 視診・動作観察
    • 立位・座位での姿勢
    • 反復動作(前屈・後屈・側屈・回旋など)
    • どの動きで「怖さ」「ためらい」が出るか
  3. 触診(浅層→深層へ)
    • まず表層の皮膚・筋膜の滑りを確認
    • 抵抗の強いラインを追いながら、深部の変化を探る
    • 「この一点を押さえると、どの方向の動きが変わるか」を確認
  4. 仮説→試験的介入→再評価
    • 「ここが原因の一つでは?」というポイントに、
      軽い圧やポジショニングでテスト
    • 動きの変化・痛みの変化・抵抗の変化を見て、刺鍼ポイントを絞る

深層筋鍼法+YNSA+コンディショニングマッサージの関係

私の中では、3者は次のような役割分担をしています。

  • 深層筋鍼法→ 筋・筋膜・関節の「土台」を変える
  • YNSA→ 神経・中枢・自律神経・痛みの感受性を調整する
  • 動作リカバリーマッサージ→ 血流・リンパ・感覚入力を整え、全体を統合する

症例によっては、あえて深層筋鍼法を少なめにし、YNSAとマッサージ中心で組み立てることもありますが、
基本的には 「深層筋鍼法が軸」で、他の2つが補完 という位置づけです。


深層筋とは?

深層筋とは、身体の深いところで骨や関節を支え、姿勢や動作の安定を担う筋肉(インナーマッスル)です。表面の筋肉(表層筋)は触れやすく変化も出やすい一方、深層筋は骨ぎわに付着しているものも多く、表面からは捉えにくいのが特徴です。この深層筋が硬くなると、動作の“ブレーキ”となり、肩こり・腰痛・股関節や膝の不調が「揉んでも戻る」「治ったのに動きが戻らない」という状態になりやすくなります。


当院では、その奥の硬さに届かせる技術として「深層筋鍼法」を施術の軸にしています。深層筋鍼法は、東京都西荻窪「なおし家鍼灸院」院長・角谷鍼灸師が臨床から体系化した鍼の技術で、院長・湯川研一は角谷鍼灸師から直接指導を受けて習得しました。※当院が把握する限り、札幌で深層筋鍼法を掲げて提供しています(当院調べ)。


施術では、つらい場所にきちんと鍼をしながら、奥に残る硬さの“中心(芯)”を丁寧に絞り込み、必要最小限の刺激で変化を引き出します。さらに重要なのは、その後です。深層筋鍼法でブレーキを外した直後に、動作リカバリーで正しい使い方を再学習し、動きやすさを定着させて「戻りにくい身体」へ導きます。刺激は反応を見て調整しますので、鍼が初めての方も安心してご相談ください。

揉んでも戻る不調は「奥のブレーキ」が残っていることがあります

肩こり・腰痛・坐骨神経痛・股関節や膝の不調が、「ほぐすと楽になるのに、すぐ戻る」。その背景には、身体の奥で姿勢と動きを支える深層筋(インナーマッスル)の硬さが、動作の“ブレーキ”として残っているケースがあります。

深層筋は骨ぎわに付着するものも多く、表面からは触れにくいのが特徴です。表面だけをほぐしても、奥の緊張が残れば、身体は元の使い方に戻りやすくなります。


当院が大切にする流れ:ブレーキ解除 → 再学習 → 定着

深層筋鍼法は、動きを止めている“奥のブレーキ”を外す工程です。
そして当院では、外した直後に動作リカバリー(動作改善)を入れます。

深層筋鍼法でブレーキを外す → 動作改善で正しい使い方を再学習 → 戻りにくく定着この流れを90分以上で丁寧に行うのが、当院の設計です。


症状別:動作で見る「戻る原因」と施術の組み立て例

① 首こり・肩こり・スマホ首(動作例:バンザイ/振り向き)

よくある状態

  • 腕を上げると肩がすくむ、首が詰まる
  • 振り向きで片側だけ動かない
  • 肩甲骨が動かず、首・肩に負担が集中

当院の組み立て

  • 深層筋鍼法:首〜肩〜肩甲帯の奥の緊張(ブレーキ)を解除
  • 必要に応じてYNSA:緊張が抜けにくい/違和感が残る場合に補完
  • 動作リカバリー:壁スライド等で「肩がすくまない上げ方」を再学習
    → “軽さ”を作って終わりではなく、戻らない上げ方まで整えます。

② 腰痛・坐骨神経痛(動作例:前屈で拾う/座って立つ)

よくある状態

  • 前屈で腰だけが曲がり、股関節が使えていない
  • 立ち上がりで腰に先に力が入る
  • お尻〜脚が張る、しびれっぽい違和感が出る

当院の組み立て

  • 深層筋鍼法:腰・骨盤まわりの奥の緊張と関連筋を調整
  • 動作リカバリー:ヒップヒンジ(股関節で曲げる動き)を短く反復
  • 日常合体:実際に「床の物を拾う」「椅子から5回立つ」まで繋げる
    → 腰の痛みだけでなく、腰に負担が戻る動きを変えていきます。

③ 股関節痛・膝痛(動作例:片脚荷重/階段/歩行の一歩目)

よくある状態

  • 片脚に乗ると骨盤が傾く、膝が内に入る
  • 階段で膝が痛む、歩くとすぐ疲れる
  • 体幹や股関節のブレーキで膝が頑張り過ぎている

当院の組み立て

  • 深層筋鍼法:股関節・骨盤・膝周囲の“連鎖”を見て奥を調整
  • 動作リカバリー:片脚荷重の安定→小さな段差昇降で再学習
    → “膝だけ”ではなく、歩行の土台(股関節・骨盤)から整えます。

深層筋の硬直・マヒについての症状

第1段階 一時的な硬直

表層筋、深層筋・腱も筋肉・腱は、疲れてくると硬くなります。また、使いすぎても使わなすぎても硬くなります(硬直)。

さらに、姿勢が悪いなど、まちがった姿勢で使っていても硬くなります。 内臓が悪くても内臓の異常反応として筋肉・腱は硬くなります。これがいわゆるコリ。 軽症だと一時的に硬くなるだけで、休憩めば、ひとりでに元の筋肉にもどります。

第2段階 拘縮

しかし、硬直する原因をそのままにしておくと硬直が続き、拘縮とよばれる慢性のコリとなります。

筋肉の中には血液を運ぶ血管や神経が通っています。拘縮の段階では、血管が圧迫されて血液の流れが悪くなる程度で、神経が働かなくなることはありません。

第3段階 深層筋のマヒ

しかし、拘縮が続くと拘縮した筋肉・腱に鍼を刺しても感じないマヒ状態の筋肉・腱になってゆきます。
これが私がマヒと呼んでいる筋肉の状態。

特にマヒは、深層筋・腱・骨膜に起きてきます。 筋肉・腱がマヒすると筋肉・腱の中を通る神経伝達もうまくゆかなくなります。 それで鍼をしても何も感じないようです。

第4段階 表層筋の痛み・炎症・動きの障害

深層筋がマヒする(鍼しても感じない状態)になると、表層筋には痛みや炎症や動きの障害が起きてくるようになります。 さらに、悪くなると、表層筋も働かなくなってしまいます。

その時、五十肩やギックリ腰、坐骨神経痛、ひざ痛などの急性症状がでて、腕や腰、ひざが突然動かないといった症状がでてきます。

本人は突然痛くて動かなくなったように感じるかもしれませんが、実は、このようになるまでには、第1~第2までの準備段階が あり、ゆるやかに悪化する経過をたどってきたわけです。

第5段階 慢性の痛み・可動域障害

そして炎症がおさまり、急性症状がよくなった後は、五十肩や腰痛、坐骨神経痛、ひざ痛が慢性になってゆきます。 慢性になると、常に痛み・重さ・冷え・動きの異常などの症状がつきまとうようになります。 こうして慢性病の症状は悪化していきます。身体の痛みが慢性化・悪化していくと、パニック障害やうつなどに発展することもあります。

鍼は指の代わりであり、筋肉の内視鏡

当院の鍼に対する考え方は、「鍼は指の代わりであり、筋肉の内視鏡」というものです。

指では表面からしか奥が分かりませんが、鍼は指の代わりとして、奥にある悪い箇所を直接触ることが出来ます。
深層筋鍼法の鍼には、鍼を刺すという発想はありません。

鍼は筋肉、腱の内視鏡。

鍼は観るもの。筋肉の中に直接入れて、内視鏡と同じように針先で筋肉、腱の状態を観ることが出来ます。
そして、針先で悪い箇所に直接作用させて、症状を改善させます。

マヒしている腱は、硬くなっています。そして表面には痛みが現われる場合も多くあります。

腕を動かしてもらうと、痛くてそれ以上動かないところがあります。いわゆるひっかかっている部分。そのひっかかる点、かたくなっている部位、痛い部位がツボです。

深層筋のマヒをとるには、マヒしている場所をみつけて、その部位の中心をさがして、そこを鍼のポイントにして深層筋鍼法を行ないます。

虫めがねの原理

ちょうど虫めがねの焦点を1点にあわせて太陽のエネルギーを集めると、紙が燃えてくるのと同じです。

その部位(面)の中心をさぐって(このやり方は文章では伝わりにくいかもしれませんが)、面を点にして、鍼のツボを決めます。ここでうまくポイントを探らないと、鍼をしてもほとんど変化が起らなかったり、痛みが余計に出てくることがあります。

そのツボに鍼を入れ、鍼先でマヒしている部分まで届けます。そして、鍼先を使ってマヒをとっていきます。マヒしているときは鍼をしても何も感じませんが、マヒがとれていくと、感覚が戻ってきて、鍼のヒビキを感じるようになります。

ヒビキは、マヒ(拘縮)が回復してきたサイン。ヒビキが出てきたら、そのマヒ部は良くなっています。

長年にわたってつくられたマヒは、樹木の年輪のように層をなして硬くなっていますから、一層一層マヒをとっていきます。

初めての方へ:安心のために

鍼が初めての方には、刺激の強さや不安を確認しながら進めます。強さで押し切るのではなく、反応を見て丁寧に調整します。苦手なことは遠慮なくお伝えください。
※強い痛みの急増、麻痺、発熱、夜間痛、急な腫れ等がある場合は医療機関受診を優先してください。

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