「走ると膝が痛い」
「投げると肩がズキッとする」
「ケアしても、また同じ場所が痛む」
スポーツを続けている人ほど、こうした“戻る痛み”を経験します。
そして多くの方が「使いすぎかな」「歳のせいかな」と考えます。
もちろん、使いすぎや負荷のかけ方が原因のケースもあります。
でも実際には、痛みの背景に“深層筋(インナーマッスル)のブレーキ”が残っているために、何度も同じ場所に負担が集中してしまうことが少なくありません。
このページでは、スポーツ愛好家・アスリートの方に向けて、
なぜ痛みが戻るのか/どうすれば戻りにくくなるのかを、できるだけ分かりやすく整理します。
「痛い場所=原因」とは限らない(スポーツの痛みは“連鎖”で起きる)
スポーツ動作は、ひとつの関節だけで起こりません。
足首→膝→股関節→体幹→肩甲骨→肩…というように、全身が連動して動きます。
だからこそ、
- 股関節が硬い(ブレーキ)
→ 膝が代わりに頑張る
→ 膝が痛む - 胸郭(呼吸の器)が硬い(ブレーキ)
→ 肩がすくむ
→ 首肩が詰まる/投球で肩が痛む
という“負担の押し付け合い”が起きます。
つまり、痛い場所は「被害者」で、原因は別の場所(=ブレーキ)にあることがある。
これがスポーツ障害の難しさです。
深層筋のブレーキとは何か?(表層は動き、深層は支える
筋肉には大きく分けて、
よく動かす表面の筋肉(表層筋) と、
姿勢や関節の安定を支える奥の筋肉(深層筋) があります。
スポーツで繰り返し負荷がかかったり、フォームが崩れた状態で頑張り続けたりすると、
深層筋が「これ以上は危ない」と判断して、無意識にブレーキをかけたまま固まることがあります。
このブレーキが残るとどうなるか。
- 動きが小さくなる(可動域が落ちる)
- 力が“出ているつもり”なのに出ない
- フォームが崩れ、別の場所が代償して痛む
- 休んでもストレッチしても、すぐ戻る
こういう状態が起きます。
本人の感覚では「硬い」「詰まる」「抜けない」「引っかかる」などで表現されることが多いです。
「ケアしても戻る」人がやりがちな落とし穴
ここ、大事なのでハッキリ言います。
マッサージやストレッチがダメという話ではありません。
落とし穴は、
表面がゆるんで“ラクになった感”は出るけれど、深層のブレーキが残ると、動きは変わらない
という点です。
動きが変わらないと、同じ負担が同じ場所に戻ります。
すると数日〜数週間で「また痛い」。これが“戻る痛み”の正体になりやすい。
だから順番としては、
- 深層のブレーキを外す(奥の緊張を評価して整える)
- 動きを作り直す(動作調整・フォームの再学習)
- 定着させる(課題練習+セルフケア)
この流れが必要になります。
当院の考え方:深層筋鍼法 × 動作調整で「戻りにくい身体」へ
ゆかわ鍼灸マッサージ治療院(札幌市中央区)では、
スポーツ障害や“戻る痛み”に対して、次の方針で組み立てます。
① 深層筋鍼法(メイン)
深層筋鍼法は、東京都西荻窪「なおし家鍼灸院」角谷敏宜院長が臨床から体系化した鍼技術です。
私は角谷院長から直接学び、その考え方と手順を基に施術しています。
ポイントは「深く刺すこと」そのものではなく、
**“負担を作っているブレーキ(奥の芯)を絞り込み、狙いを定める評価”**です。
表面を追いかけるのではなく、
競技動作の邪魔をしている「奥の引っかかり」を見つけて整える。
それが、戻りにくさにつながります。
② 動作調整(コンディショニング)で“使い方”まで整える
痛みが軽くなっても、動きが同じなら再発します。
そこで当院では、施術後に
- 肩がすくまない腕の上げ方
- 股関節を使える立ち方/踏み方
- 腰に頼らない体幹の入れ方
- 呼吸(胸郭)の動かし方
などを、短い反復で再学習します。
「整った状態を、その場しのぎで終わらせない」ための仕上げです。
まず医療機関の確認を優先してほしいケース(安全第一)
以下に当てはまる場合は、鍼灸の前に医療機関での評価をおすすめします。
- 強い腫れ・熱感・外傷後の強い痛み
- しびれや筋力低下が進んでいる
- 夜間痛が強く眠れない/安静でも激痛
- 発熱、原因不明の体重減少など全身症状がある
当院でも、必要な場合は受診をご案内します。
迷ったら:最初の一手は「状態の見える化」
スポーツの痛みは、我慢強い人ほど長引きます。
「休めない」「練習を止められない」人ほど、早めに“原因の当たり”を付けたほうが結果が早いです。
当院では初回に、
動作チェック → 施術 → 再チェックで、変化を確認しながら進めます。
まとめ:スポーツの痛みは、奥のブレーキを外すと景色が変わる
スポーツの痛みが戻るとき、
それはあなたの根性不足でも、ケア不足でもありません。
ただ、身体のどこかに
**「ブレーキ(深層筋の緊張)」**が残っていて、
同じ負担が同じ場所に集まっているだけかもしれません。
心配を増やすより、まずは身体の状態を整理して、
競技を続けられる形に“作り直す”。
そのために、深層筋鍼法と動作調整は相性が良いと考えています。
