不定愁訴とは?—「どこが悪いのかわからないけどツラい」という悩み
「病院では異常なしと言われたけど、なんとなく体調が悪い」「いつも疲れている、眠れない、頭が重い」など、はっきりした診断がつかないけれど、日常生活に支障が出るような症状のことを、私たちは「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼びます。
これはれっきとした身体からのサインであり、放っておくと慢性病やメンタル不調に移行するリスクもある重要な現象です。
不定愁訴の代表的な症状
- 慢性的なだるさ・疲労感
- 頭痛・肩こり・めまい
- 胃腸の不調(便秘、下痢、膨満感など)
- 不眠や中途覚醒
- 動悸・息切れ・不安感
- 手足の冷えやしびれ
- 月経不順・更年期症状
多くは検査で「異常なし」とされ、投薬や経過観察になることがほとんどですが、本人の不快感や生活への影響は非常に大きいのが特徴です。
不定愁訴と病気の“はざま”にあるもの
不定愁訴は、「病気」ではないとされがちですが、実際には以下のような背景があることが多いです。
1. 自律神経の乱れ
ストレスや生活習慣の乱れにより、交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、身体がうまく調整できず、様々な症状が現れます。
2. 慢性炎症の残存
表面上は治っていても、体の深部に慢性の炎症や老廃物が残存している場合があります。これは一般の検査では見逃されやすく、体内の不調感の元になることがあります。
3. 感情の影響(心身相関)
心理的ストレスや未処理の感情が身体症状として現れることも少なくありません。特に真面目で我慢強い性格の方に多く見られます。
不定愁訴は「未病(みびょう)」のサイン
東洋医学では、不定愁訴は「未病(まだ病になっていない状態)」とされ、非常に重要視されます。
未病の段階で体のバランスを整えることができれば、将来的な病気の予防にもつながります。
鍼灸・YNSAでのアプローチ
当院では、不定愁訴に対して次のような施術を行っています:
◉ YNSA(山元式新頭鍼療法)
頭部の反応点を診て、脳と全身のバランスを調整。自律神経や内臓、筋肉の機能改善に効果的です。
◉ 頭部のこりに特化した鍼治療
頭の筋膜の緊張を丁寧にほぐすことで、脳の血流とリンパの流れを改善し、慢性疲労や倦怠感が軽減されるケースも多いです。
◉ 炎症の残存部位に対する施術
触診で体内の炎症の痕跡を探り、そこに的確にアプローチすることで、免疫系や自律神経への負担を軽減します。
最後に:不定愁訴を「気のせい」で終わらせないために
不定愁訴は、体が出しているかすかな異変のサインです。
見過ごしてしまえば、やがて本格的な病気に進行する可能性もあります。
逆に、今の段階で体のバランスを整えることができれば、元気な日常を取り戻す大きなきっかけにもなります。
「何科に行っても原因がわからないけど、つらい」
そんな方こそ、一度東洋医学的な視点で体を見つめ直してみてください。
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