― 失われた“自然免疫の知恵”をもう一度、取り戻すために
◆ プロローグ:薬を飲んでも、なぜ私たちは治った気がしないのか?
「薬は飲んだけど、なんだかスッキリしない」
「風邪のたびに、体力が落ちてる気がする」
「病院に行くほどじゃないけど、なんか変…」
それは、“免疫の本当の声”を聞き逃しているからかもしれません。
あなたの中には、ちゃんと「治す力」があります。
けれど現代社会は、その力が働く“時間”と“場所”を、与えてくれません。
かつての江戸人は、風邪をひいたら、ただ布団をかぶって眠るだけでした。
──それでも治っていた。
しかも今より短時間で、深く、しっかりと。
その秘密を、今こそ掘り起こしてみませんか?
◆ 江戸人の1日は「免疫と共に暮らす」時間だった
江戸時代の庶民は、現代のように病院も薬もワクチンもない中、
風邪や流行り病と向き合ってきました。
それでも彼らは、生き延びていました。
理由は簡単です。
生活そのものが“免疫力の稽古”だったからです。
🌄 朝:日の出とともに起きる
カーテンも電灯もない家で、自然のリズムに沿って起床。
交感神経がすんなりオンになり、免疫スイッチも正常作動。
🍚 食:一汁一菜と発酵食
朝は味噌汁とごはん、季節の漬物。
発酵食品によって腸内細菌が育ち、免疫の司令塔である腸が整っていた。
🏃 活動:適度な運動、適度な冷え
徒歩・農作業・井戸水──自然と“寒暖差”に体を晒すことが日常。
寒さ=悪ではなく、免疫を鍛える天然の刺激。
🌙 休:日没と共に就寝
陽が沈んだら行燈(あんどん)だけ。
スマホも残業もないから、自然と眠くなり、夜10時には熟睡。
睡眠ホルモンと免疫ホルモンがしっかり交代する、最高の生活習慣。
◆ 江戸人の「風邪」は、敵ではなかった
江戸時代の医学書『養生訓』(貝原益軒)には、こう書かれています。
「病は早く見つけ、静かに養い、自然に治るを待つべし。」
彼らにとって、風邪は**「体の内側が乱れているというサイン」**。
だからこそ、無理に薬で抑えず、「静養」に徹したのです。
現代のように“元気に働き続ける”ことを美徳としなかったからこそ、
免疫が育つチャンスを奪わなかったとも言えます。
◆ 今の私たちは「治る前に動き出す」ことで、治らない
現代の風邪対策:
- すぐに病院 → 検査・薬
- 熱が出たら解熱剤
- 咳が出たら咳止め
- 出勤・育児・SNS投稿でフル稼働
一見、便利で合理的に見えますが──
これは、免疫の声を“ミュート”している行為です。
風邪をひく=免疫が「敵」と出会い、戦い、記憶し、強くなるチャンス。
そこに薬をかぶせるのは、免疫の“成長の場”を奪ってしまうのと同じです。
◆ 鍼灸は、江戸人が当たり前に使っていた「免疫の伴走者」
江戸の町には、あちこちに鍼灸師やあん摩師がいました。
医者にかかるのは重病のとき、
それより前に、“体の整え役”として鍼灸が信頼されていたのです。
- 体温を上げる
- 自律神経を整える
- 消化吸収を助ける
- 睡眠の質を改善する
鍼灸は、免疫が本来の仕事をしやすくする土壌づくり。
まさに「風邪と戦う」のではなく、「治る環境を用意する」ための智慧だったのです。
◆ あなたの免疫は、あなたの“敵”ではない。
風邪をひくと、落ち込んだり、自分を責めたりしていませんか?
でもそれは、免疫がちゃんと働いている証。
むしろ、何年も風邪をひかない人のほうが、体内に“敵”を認識できなくなっていることもあります。
**免疫とは「体の武士」**のようなもの。
剣を抜く場を与えず、刀を鞘にしまいっぱなしにしていたら、
いざという時に戦えなくなってしまいます。
◆ 今、江戸人の免疫観が私たちに教えてくれること
- 治るのには、時間が必要
- 薬ではなく、自分の体を信じてみる
- 病気は“敵”ではなく、“調整の機会”
- 「養生」は予防と回復をつなぐ知恵
江戸人の生活を真似することはできません。
でも「風邪をひいたとき、どうするか?」という意識だけは、
今からでも変えられるのです。
◆ 当院のご提案:現代の暮らしの中に“江戸の免疫知恵”を取り戻す
当院では、以下のような方に鍼灸をおすすめしています:
- 季節の変わり目に体調を崩しやすい方
- 風邪が長引くようになった方
- 薬を使いすぎていると感じる方
- 「昔は元気だったのに」と思う方
自然な刺激で、免疫が“自分で立ち上がる”ように整えていきます。
江戸の知恵を、現代に合わせてアップデートするのが、私たちの仕事です。
✨エピローグ:風邪を、もう少し優しい目で見てみませんか?
風邪をひいたとき、
「またか…」とため息をつく代わりに、
こう考えてみてください。
「お、免疫がまた一段、強くなってくれるかも。」
それは体が、あなたを守るために準備してくれた時間です。
江戸人が大切にしていた「治るまでの静けさ」を、
現代のあなたも、ほんの少し取り戻してみてください。
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