― 自分の中の“敵”と和解するとき、免疫は蘇る
【プロローグ】
あなたの中に、「敵」が住んでいませんか?
- SNSで他人の充実ぶりを見て落ち込む自分
- 同僚の昇進に素直に喜べない自分
- 夫や親の期待に応えられない自分
「また比較してしまった…」
「また心の中で言い訳してる…」
そのたびに、自分自身が嫌いになっていく感覚。
そして、なぜか体調もすぐれない。眠れない。疲れが取れない。
その裏側で──
免疫は密かに、“自分を敵として扱い始めている”かもしれません。
・比較は“生存本能”。だが、使い方を間違えると…
人間は本来、「比較する動物」です。
- 獲物か毒かを見分ける
- 仲間か敵かを判断する
- 群れの中で自分の位置を確かめる
これは生き延びるための機能でした。
しかし現代では、
- 他人の家族写真と自分の孤独
- 誰かの成功と自分の停滞
- 「自分は価値がないのでは」という根拠のない不安
比較が“生きるため”ではなく、“自分を責める材料”へとすり替わってしまっている。
そして、その慢性的なストレスが、免疫を狂わせていきます。
・「自己否定」が免疫を“内なる敵”へと向かわせる
比較から生まれた否定的な感情は、脳の扁桃体を活性化させ、
交感神経を長期にわたって緊張状態にします。
その結果──
- 腸内フローラが乱れる
- 体温調節が低下する
- 睡眠の質が悪化する
- 微細な炎症が全身で持続する
免疫は、「本来の敵」ではなく、自分の体内の細胞や組織を攻撃し始めるのです。
つまり、
自己免疫疾患、アレルギー、慢性疲労、うつ、原因不明の不調…
それらは、心と免疫が“自己を敵視する構造”から生まれているのかもしれません。
・あなたの中にある“対立構造”が、体を苦しめる
心理学では、未統合な二項対立は慢性ストレスの温床とされています。
- 「家族の期待」と「自分の本音」
- 「人から見られる自分」と「ありのままの自分」
- 「こうあるべき」と「こうしたい」の間の綱引き
これらは、一時的なストレスではありません。
“答えの出ない内戦”のようなものです。
そして、免疫系もまた、
本来の機能である「中立性」を失い、
白か黒かの過剰な“攻撃型の振る舞い”をし始める。
──結果、体内のバランスが、じわじわと壊れていきます。
・メタ認知で、比較と対立の“奴隷”から抜け出す
ここで有効なのが「メタ認知」です。
これは、自分の考えや感情を“一歩引いて見つめる力”。
たとえば:
- 「あ、私は今“劣っている”と感じている。でもそれは事実じゃない」
- 「この怒りの裏には、“認められたい気持ち”があるだけかも」
- 「私はまだ、この状態を“敵”だと決めつけているだけだ」
こうした内面の“実況中継”を言語化することで、
脳の過活動が落ち着き、呼吸が深まり、免疫の誤作動も鎮まっていくのです。
つまり、自分を一時的に“他人”のように扱うことで、心身は再調整を始める。
・鍼灸マッサージは、“自分を許す身体”を取り戻すための技術
多くの患者さんが、鍼灸の施術後こう語ります。
「肩の力が抜けて、“私のままでいい”って思えた」
「頭が静かになって、比べること自体が面倒になった」
「身体が“もう闘わなくていいよ”って言ってるみたいだった」
これには明確な生理学的根拠があります。
- 鍼マッサージ刺激 → 迷走神経活性化 → リラックスモードへ
- セロトニン・オキシトシン分泌 → 社会的安心と回復力の向上
- 身体の“今ここ”への集中 → 比較思考が停止し、自律神経が安定
鍼灸は、心の内戦を鎮め、“私”を再び味方につけるプロセスをサポートするのです。
【結論】あなたの免疫は、あなたを“敵”とみなしていませんか?
- 比較しないことは不可能。でも、“呑み込まれないこと”はできる。
- 対立する自分を責めるのではなく、観察し、言葉にすることができる。
- 免疫は、あなたの“心のあり方”を静かに映し出す鏡。
あなたが自分に対して少しでも優しくなれたとき、
免疫もまた、あなたを“守る者”として戻ってくるのです。
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