札幌市中央区 | 深層筋鍼法(DMA)
首のつけ根のこりは一種類ではない——後頭下筋群で起きている6つの状態【札幌】
首のつけ根が重い。揉んでもらうとその場は軽いのに、夕方にはまた戻っている。
ストレッチも、枕を替えることも試してきた。それでも変わらないと、「首が弱い体質なのだろう」とあきらめかけている方もいらっしゃると思います。
1993年の資格取得以来、深い層の筋肉と向き合ってきた院長・湯川研一が、首のつけ根にある「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」に目を向けます。この記事では、同じ「こり」でも筋肉の中で起きていることは人によって違うという見方と、当院の関わり方についてご説明します。
後頭下筋群とは——首のつけ根の奥にある、4つの小さな筋肉
後頭下筋群は、ひとつの筋肉の名前ではありません。首のつけ根の奥にある、4つの小さな筋肉をまとめた呼び名です。まずは、横から見た図で場所を確かめてみましょう。
場所:耳の後ろ下、頭と首の「継ぎ目」
図の左上、横顔についた赤丸を見てください。耳の後ろの少し下、髪の生え際あたりです。ここを指で押すと、後頭部の出っ張りのすぐ下にくぼみがあります。その奥にあるのが後頭下筋群です。
拡大した図では、左側に下あご、中央に首の骨が縦に並んでいます。いちばん上の骨が第1頸椎(C1)、その下が第2頸椎(C2)です。赤く塗られた4つの筋肉は、どれも頭の骨とこの2つの骨、あるいはC1とC2どうしをつないでいます。
4つの筋肉と、つながる骨
図の右側に並んでいるのが、4つの筋肉の名前です。横の丸印は、首の骨のどちらにつながっているかを示しています。
- 上頭斜筋(じょうとうしゃきん):頭の骨と C1 をつなぐ
- 小後頭直筋(しょうこうとうちょっきん):頭の骨と C1 をつなぐ
- 大後頭直筋(だいこうとうちょっきん):頭の骨と C2 をつなぐ
- 下頭斜筋(かとうしゃきん):C2 と C1 をつなぐ
名前を覚える必要はありません。「頭と首の継ぎ目で、骨どうしを短くつないでいる小さな筋肉たち」と考えていただければ十分です。どれも数センチほどの、ごく短い筋肉です。
仕事:頭の向きを、細かく合わせる
首を大きく動かすのは、もっと外側にある大きな筋肉の仕事です。後頭下筋群が受け持つのは、もっと小さな動きです。
少しうなずく。わずかに頭を回す。傾いた頭をまっすぐに戻す。本を読む、画面を見る、人の顔を見る——そのたびに、頭の向きをミリ単位で合わせ続けています。骨と骨を短くつないでいるからこそ、細かい調整が得意なのです。
目の動きと一緒に働く
後頭下筋群は、目の動きと連動して働くと考えられています。視線を左右に動かすと、首のつけ根も小さく反応する、という関係です。
画面を長く見続けた日に、目の疲れと首のつけ根の重さが同時に来るのは、このためかもしれません。
「センサー」の多い筋肉
筋肉の中には、筋紡錘(きんぼうすい:筋肉の伸び縮みを感じとる小さなセンサー)があります。後頭下筋群は、体の大きさのわりにこのセンサーが多い筋肉として知られています。
力を出すための筋肉というより、頭の位置を感じとって細かく調整する筋肉。この性格が、後で出てくる「こりの種類」に関わってきます。
東洋医学では
このあたりには、天柱(てんちゅう)や風池(ふうち)といったツボがあります。東洋医学では、首のつけ根は頭と体をつなぐ巡りの通り道と考えられてきました。首そのものについては首こりのページでもご説明しています。
首のつけ根で起きている6つの状態
「首がこっている」とひとことで言っても、筋肉の中で起きていることは一つではありません。当院では、少なくとも次の6つを分けて見ています。
① 滑走障害——重なった筋どうしが滑らない
後頭下筋群の上には、何枚もの筋肉が重なっています。本来は、頭を動かすたびに一枚一枚が滑らかにずれ合っています。
同じ姿勢が長く続くと、このずれ合いが悪くなることがあります。これを滑走障害と呼んでいます。筋肉そのものは硬くなくても、重なった層が一緒に引っぱられて、動かしたときの重さや突っぱり感として出てきます。
表面を揉むと、いちばん上の層はほぐれます。ただ、滑りにくくなっている深い層の間までは届きにくく、戻りやすい理由のひとつと考えています。詳しくは揉んでも戻るこわばりと「滑走障害」という見方で書いています。
② 短縮痛——縮んだまま、さらに縮むと痛む
スマートフォンを見るとき、頭は前に出て、あごが少し上がります。この姿勢では、後頭下筋群は縮んだままになります。
縮んだ状態が長く続いた筋肉は、そこからさらに縮む動きで痛みやすくなります。上を向く、あごを突き出す、洗濯物を干す。こうした動きで首のつけ根が詰まるように痛む場合は、この状態が関わっていることがあります。
伸ばすストレッチで楽になる方もいれば、かえって響く方もいます。どちらになるかは、縮んだ期間の長さや、ほかの状態との重なり方によって変わります。
③ 支える力の不足——前側が働かず、後ろ側が肩代わりする
頭の重さは、首の後ろ側だけで支えているわけではありません。首の前側の深いところにも、頭を支える筋肉があります。
頭が前に出た姿勢が続くと、この前側の筋肉が働きにくくなることがあります。すると、足りない分を後ろ側の後頭下筋群が肩代わりすることになります。
本来は細かい調整役の筋肉が、頭を支える重労働まで背負っている状態です。この場合、首のつけ根だけをゆるめても、支える仕組みが変わらなければまた同じ負担がかかりやすくなります。
④ センサーの過敏——少しの動きで身構える
先ほどご説明した筋紡錘は、筋肉の伸び縮みを感じとるセンサーです。このセンサーが敏感になりすぎると、少し伸ばされただけで「伸ばされすぎだ」と反応し、筋肉が縮もうとします。
振り向こうとするとすぐ突っぱる、首を回すのが怖い。そういう感じがある方は、筋肉の硬さそのものより、このセンサーの反応が先に来ていることがあります。
センサーの多い後頭下筋群では、この状態が起きやすいと考えています。強く押したり引っぱったりすると、センサーがかえって身構えることもあります。
⑤ 弛緩異常——休んでいるときもゆるみきらない
筋肉は、使うときに縮み、使い終わったらゆるみます。ところが、このゆるむほうがうまくいかなくなることがあります。これを弛緩異常と呼んでいます。
横になっても首のつけ根に力が入っている気がする。朝起きたときがいちばん重い。枕を替えても変わらない。こうした場合は、夜のあいだもゆるみきれていない可能性があります。
ゆるまない筋肉は、休んでいるはずの時間にも疲れをためていきます。疲れが抜けないまま翌日また使う、という繰り返しになりやすい状態です。
⑥ 身構えた緊張——痛みや不安で力を抜けない
痛みがある場所を、体は守ろうとします。痛い首を動かさないように、周りの筋肉が固まって支える。これ自体は体の自然な反応です。
ただ、痛みが長引いたり、不安や緊張が続いたりすると、守る必要がなくなってからも身構えたままになることがあります。人前で緊張すると首が固まる方、不安が強いときに首のつけ根がこわばる方は、この状態が重なっていることがあります。
緊張と首のつけ根の関係については、パニック障害のページでも、身体の緊張という面からご説明しています。
6つは、重なって起きている
ここまで6つに分けてきましたが、実際には一つだけということはあまりありません。縮んだまま(②)の筋が、ゆるみきらず(⑤)、上の層とも滑らない(①)。そんなふうに重なっていることがほとんどです。
だからこそ、どれがどのくらい重なっているのかを確かめるところから始めます。
なぜ揉んだりストレッチしたりするだけでは戻りやすいのか
首のつけ根を揉んでもらうと、その場は楽になります。それでも戻ってしまうのには、いくつか理由があります。
上に、何枚もの筋肉が重なっている
先ほどの図では、後頭下筋群だけを取り出して描いていました。実際の体では、この4つの筋肉は首のつけ根のいちばん奥にあります。その上に頭半棘筋・頭板状筋が重なり、さらに外側を僧帽筋が覆っています。
手で押す力は、まず表面の筋肉が受け止めます。奥にある後頭下筋群まで、狙った強さで届かせるのは難しいと考えられています。
6つの状態は、表面からでは見分けにくい
もうひとつの理由は、6つの状態それぞれで、合うやり方が違うことです。短縮痛(②)なら伸ばすことが役に立つ場合がありますが、センサーの過敏(④)では強く伸ばすとかえって身構えることがあります。
表面からひとまとめにほぐすやり方では、どの状態にも「少しずつ」しか届かない。それが、その場は楽でも戻ってしまう理由のひとつだと考えています。
当院の関わり方——深層筋鍼法で深い層にはたらきかけます
深層筋鍼法(DMA)とは
深層筋鍼法(DMA:Deep Muscle Acupuncture)は、表層ではなく深層の筋肉に届く刺鍼を体系化した手技です。当院院長は、なおし家鍼灸院・角谷敏宜(かどや としのぶ)院長に師事しています。
表面の筋肉を何枚も重ねた奥にある後頭下筋群に、細い鍼であれば届かせることができる。ここが、首のつけ根のこりに対して当院が鍼を軸に置いている理由です。技法そのものについては深層筋鍼法のページをご覧ください。
手で確かめてから、鍼を選ぶ
鍼の前に、あん摩マッサージ指圧の手技で数分、首のつけ根を確かめます。どの層が硬いのか、滑りが悪いのはどこか、左右でどう違うのか。6つの状態のどれが重なっているのかを、ここで見立てます。
鍼のあとにも、もう一度手で確かめます。狙った層がゆるんだか、組織が滑らかに動くようになったか。揉みほぐすためではなく、施術の精度を保つための工程です。
お身体の状態に応じて組み合わせるもの
当院の施術の中心は深層筋鍼法です。お身体の状態によって、YNSA(山元式新頭鍼療法:頭皮に浅く細い鍼を用いる手技)を組み合わせるかどうかを判断します。すべての方に行うものではありません。
施術の流れ
初回はカウンセリングを含め合計150分(カウンセリング30分+施術120分)ほどお時間をいただいています。いつから重いのか、一日のどの時間帯がつらいのか、どんな動きで響くのか。そうしたお話をうかがってから、実際に体を触って確かめていきます。詳しくは施術メニュー・料金のページをご覧ください。
施術後の変化について
施術後は、首を回したときの軽さや、上を向いたときの詰まり感に変化を感じやすい方が多くいらっしゃいます。ただし、どの状態がどのくらい重なっているか、どのくらいの期間続いてきたかによって個人差があります。数回(個人差あり)を目安に経過を見ながら、その日の状態に合わせて施術を調整していきます。
ご自宅では、画面を見る時間が続いたら一度目線を遠くに移すこと、同じ姿勢を長く続けないことを意識してみてください。具体的なセルフケアは、6つの状態のどれが大きいかによって向き不向きがありますので、施術の際に個別にご案内しています。
こんなときは、先に医療機関へ
首のつけ根の重さや頭痛の中には、筋肉とは別の原因が隠れていることがあります。次のような場合は、鍼灸院より先に医療機関を受診してください。
- 突然、これまでにない強い頭痛が起きた
- 手足のしびれ、力の入りにくさ、ろれつの回りにくさがある
- めまいやふらつきが続いている、または急に起きた
- 発熱をともなう首の痛み、首が前に曲げられない
- 転倒や事故のあとから首が痛む
医療機関で検査を受け、筋肉以外の原因が見つからなかったあとのご相談は、もちろん承っています。
札幌・中央区で当院が選ばれる理由
- はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の国家資格3つを保有しています。1993年の資格取得以来、競技者のスポーツ障害から脳卒中後の体まで、幅広く施術にあたってきました。
- 深層筋鍼法を軸に、施術の前後に手で状態を確かめながら、お身体の状態に応じてYNSAを組み合わせて施術を組み立てます。
- 札幌市中央区南17条西9丁目という通いやすい立地で、院長がすべての施術を担当します。
よくあるご質問
揉んでもらうと楽になるのに、なぜ戻るのですか?
揉む力は表面の筋肉が先に受け止めるため、奥の後頭下筋群まで届きにくいと考えられています。また、首のつけ根のこりにはいくつかの状態が重なっていることが多く、ひとまとめにほぐすだけでは届かない部分が残ることがあります。
何回くらい通えばよいですか?
どの状態がどのくらい重なっているか、どのくらいの期間続いてきたかによって幅がありますが、数回(個人差あり)を目安に経過を見ながら方針を調整します。回数をお約束することはしていません。
首に鍼をするのは怖くないですか?
使用する鍼は非常に細く、痛みはほとんど感じないという方が多いです(感じ方には個人差があります)。首のつけ根は、手で確かめながら慎重に進めます。不安なことは施術の前に何でもお聞きください。
目の疲れや頭の重さも一緒に相談できますか?
はい、ご相談いただけます。後頭下筋群は目の動きと一緒に働くと考えられており、首のつけ根と合わせて見ていきます。ただし、急な頭痛やめまいがある場合は、先に医療機関を受診してください。
予約はどうすればよいですか?
当HPからのご予約または公式LINEから承っています。小さな疑問もLINEからお気軽にどうぞ。
NEXT STEP | 次の一歩
揉んでも戻る首のつけ根の重さを、一度、筋肉の中から確かめてみませんか。札幌市中央区のゆかわ鍼灸マッサージ治療院では、深層筋鍼法を軸に、お一人おひとりの状態に合わせて施術します。
当HPからのご予約 | お電話 011-577-1648(完全予約制) / 施術メニュー・料金を見る →
私は医師ではありません。奇跡の治療もできません。ただ、戻りを繰り返してきた首のつけ根と、丁寧に向き合っていきます。
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1993年の国家資格取得から、スポーツ障害から脳卒中後遺症まで。
初回は合計150分(カウンセリング30分+施術120分)かけて
お身体と向き合います。
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